ジョン・ロックの道徳哲学—自由と人格同一性の探求
ジョン・ロックの道徳哲学—自由と人格同一性の探求
ロックの道徳哲学とは?
ジョン・ロック(1632-1704)は、近代哲学の礎を築いた思想家の一人であり、その『人間知性論』において道徳哲学の重要な議論を展開しました。本書『ジョン・ロックの道徳哲学』では、ロックの道徳哲学を自由と人格同一性の観点から再構成し、その現代的意義を示しています。
自由と人格同一性の関係
ロックの哲学において、自由とは単なる行動の選択ではなく、理性に基づく自己決定の能力を意味します。また、人格同一性の概念は、個人の道徳的責任と密接に関連しており、自己の継続性を保証するものとして捉えられます。本書では、これらの概念がどのように結びつき、ロックの道徳哲学の中心的なテーマとなるのかを詳細に分析しています。
現代倫理学への影響
ロックの道徳哲学は、現代倫理学にも大きな影響を与えています。特に、自由意志と責任の問題は、今日の法哲学や政治哲学においても重要な議論の対象となっています。本書は、ロックの思想を現代の視点から再評価し、その哲学的意義を明らかにする試みです。
まとめ
佐々木拓による『ジョン・ロックの道徳哲学』は、ロックの思想を深く掘り下げ、自由と人格同一性の関係を明確にすることで、道徳哲学の新たな視点を提供します。ロックの哲学に興味がある方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
ジョン・ロックの道徳哲学:人間社会の倫理を探る
# ジョン・ロックの道徳哲学
**著者:** 佐々木拓
**出版社:** 丸善出版
**出版年月:** 2017年9月
**ISBN:** 9784621302002
## 概要
ジョン・ロックの『人間知性論』における道徳哲学を徹底的に分析した一冊。ロック哲学の中核である自由と人格同一性の概念を軸に、道徳哲学の現代的意義を再構築しています。従来の研究では断片的とされてきたロックの道徳論を、体系的に解釈し直すことで新たな視点を提供します。
## 内容の特徴
- **自由と人格同一性:** ロック哲学の核心を掘り下げ、現代社会における道徳的課題への応用可能性を示唆。
- **道徳の論証可能性:** 道徳的善悪を法やサンクションとの関係性から論じ、道徳の基盤を明確化。
- **動機づけの力:** 幸福、欲求、そして「落ちつかなさ」の役割を再検討し、ロック哲学の動機づけ理論を深く探求。
## 目次
1. ロック道徳哲学の背景と目的
2. 道徳の論証はいかにして可能か
3. ロック自由論における内在的矛盾とその解消
4. 有意的でありながら自由ではない行為は可能か
5. ロック哲学における動機づけの力
6. 帰責の観点から眺める人格同一性
7. サンクション帰属の要件としての自由
## 現代的意義
ロックの哲学は、個人の自由と責任を考える上で重要な示唆を与えます。本書は、道徳哲学の新たな地平を切り開く一冊として、哲学愛好者や研究者にとって必読の書です。
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**金沢大学人間社会研究叢書**の一環として出版され、哲学・倫理学の分野で注目されています。