明治国家と政党の興亡——『日本政党史論 2』が描く政治の変遷

明治国家と政党の興亡——『日本政党史論 2』が描く政治の変遷

政党政治の始まりと帝国議会

明治23年(1890年)、帝国議会が開院し、日本の政治は新たな局面を迎えた。官僚機構の整備とともに、政党は自由民権運動とは異なる性格を持ち始める。本書では、伊藤博文や山縣有朋ら元老から桂太郎、原敬、西園寺公望に至るまで、政府と政党の関係がどのように変遷したのかを詳細に論じている。

政党の台頭と政府との駆け引き

初期の帝国議会では、政府と政党の間に激しい駆け引きが繰り広げられた。説得、買収、解散といった手法が用いられ、政権運営は決して容易ではなかった。特に「超然」内閣は、帝国憲法体制の構造上行き詰まり、政党が権力に割り込む余地が生まれる。

政党政治の確立へ

政党政治家や元老周辺の策謀家が暗躍し、徐々に政党の「政権」が近づいていく。本書では、伊東巳代治のような典型的な策謀家の動きも描かれ、政党政治の確立に向けた過程が浮き彫りになる。

まとめ

『日本政党史論 2』は、近代日本政治史研究の基本文献として高い評価を受けている。帝国議会下の政府と政党の関係を丹念に描き、政治の変遷を理解する上で欠かせない一冊だ。


日本政党史論2

本情報 ISBN:9784130342728 書籍タイトル: uname 著者:昇味準之輔 出版社:東京大学出版会 出版年月日:2011年12月 ページ数:486P サイズ:22cm 分野:社会≫政治 カテゴリ:政治学 登録日:2013/04/03

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