柴崎友香『遠くまで歩く』——記憶と風景が交差する物語

柴崎友香『遠くまで歩く』——記憶と風景が交差する物語

記憶を辿る旅

柴崎友香の最新長篇小説『遠くまで歩く』は、オンライン講座を舞台に、記憶と風景が交差する物語です。新型コロナの影響で日常が変化し、移動の機会が減った現代において、記憶の遠近感が揺らぐことをテーマにしています。

物語の舞台

主人公・森木ヤマネは、小説家としてオンライン講座のゲスト講師を務めます。受講者たちは、それぞれの記憶を写真と文章で表現し、画面越しに共有していきます。河川敷の鉄橋、古びた家、実家のカメラ、遊歩道、ロードサイドのラーメン屋——それぞれの風景が、個々の記憶と結びつき、物語を紡いでいきます。

書くことで出会う「内なる他者」

ヤマネは講座の中で「書こうとすると思い出す作業になる」と語ります。写真やメモを手がかりに記憶を辿ることで、忘れていた出来事が蘇り、自分の中にある他者の視点に気づく瞬間が訪れます。書くことによって、思い出すはずのないことを思い出し、新たな視点を得る——それが本作の核心です。

読者への問いかけ

『遠くまで歩く』は、読者に「自分の記憶をどのように書き留めるか?」という問いを投げかけます。スマートフォンに残った写真を見返しながら、記憶を文章にすることで、新たな発見があるかもしれません。

柴崎友香の繊細な筆致が描く、記憶と風景の交差点。ぜひ本書を手に取り、自分自身の記憶を辿る旅に出てみてください。


距離を超えて调用される絆-柴崎友香チャットログ-

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発売日: 2025年01月22日
商品ID: 6664846
ジャンル: DOMESTICBOOKS
フォーマット: Book
構成数: 1
レーベル: 中央公論新社
アーティスト: 柴崎友香
アーティストカナ: シバザキトモカ
タイトル: 遠くまで歩く
タイトルカナ: トオクマデアルク