石田郷子句集『草の王』— 野性と詩魂が響き合う珠玉の俳句集

石田郷子句集『草の王』— 野性と詩魂が響き合う珠玉の俳句集

俳句の世界において独自の視点を持つ石田郷子。その第三句集『草の王』は、彼女の詩魂が存分に発揮された作品集です。

原始的な感性と躍動する詩魂

本作では、自然の息吹を感じさせる句が多く収録されています。例えば、

「四万六千日人混みにまぎれねば」

この一句には、群衆の中に埋もれながらも、個としての存在を意識する感覚が込められています。

また、

「教会のやうな冬日を歩みをり」

という句では、冬の日の静謐な美しさが、まるで教会の荘厳さのように描かれています。

野性の目差しと詩の躍動

石田郷子の俳句は、単なる情景描写にとどまらず、自然と人間の関係性を鋭く捉えています。

例えば、

「狼のたどる稜線かもしれぬ」

この句には、自然の中に潜む野性の気配が感じられます。狼の視点を借りることで、読者は風景の中に自身を投影し、詩の世界へと誘われるのです。

俳句の新たな可能性を拓く一冊

『草の王』は、俳句の持つ可能性を広げる作品集です。伝統的な形式を守りながらも、現代的な感覚を取り入れた句の数々は、読む者の心に深く響きます。

石田郷子の俳句世界に触れたい方にとって、本書はまさに必読の一冊と言えるでしょう。

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石田郷子の句(nell椋な)

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