魔豹人――菊地秀行が描く異能の用心棒、水月豹馬の壮絶な戦い

魔豹人――異能の用心棒、水月豹馬の戦い

1992年に光文社文庫から刊行された菊地秀行の『魔豹人』は、伝奇バイオレンスの傑作として知られる。主人公・水月豹馬は、疾風のような脚と鋭い牙を持つ超A級の用心棒。彼の戦いは、ただの護衛任務では終わらない。

物語の概要

水月豹馬が護衛するのは、ヤクザの娘・吉乃。彼女の体内には、古代日本の伝説の種族が作り出した「気象調節装置」の秘密が隠されていた。この秘密を狙う二つの組織が暗躍し、豹馬は壮絶な戦いへと巻き込まれていく。

敵は巨大暴力組織を自在に操る怪人物“御前”。彼が送り込む魔人たちとの死闘が繰り広げられる。アクションとエロスが交錯するこの物語は、まるで昭和のアクション映画のような疾走感を持ち、読者を圧倒する。

菊地秀行の世界観

菊地秀行は『魔界都市〈新宿〉』シリーズなどで知られる作家であり、本作もその流れを汲む伝奇バイオレンス作品だ。彼の描く世界は、超常的な力を持つキャラクターと壮絶な戦いが織りなす独特の魅力に満ちている。

『魔豹人』は、そんな菊地秀行の作風を存分に味わえる一冊。豹馬の戦いの行方を、ぜひその目で確かめてほしい。