『野原できみとピクニック』— 格差社会を映し出す青春ラブストーリー
『野原できみとピクニック』— 格差社会を映し出す青春ラブストーリー
異なる世界に生きる二人の出会い
繁華街でトラブルに巻き込まれた優弥を救ったのは、底辺校に通いながら家計を助けるためにアルバイトをしている稀星だった。裕福な家庭に育ち、進学校に通う優弥と、厳しい環境の中で生きる稀星。まったく異なる世界に生きる二人が出会い、惹かれ合うことで、彼らの視点は大きく変わっていく。
格差社会を映し出す恋愛物語
この物語は単なる青春ラブストーリーではない。優弥と稀星の関係を通じて、現代日本の格差社会が浮き彫りになる。彼らの育った環境の違いが、価値観や未来への選択にどのような影響を与えるのか。読者は二人の恋の行方を追いながら、社会の現実について考えさせられる。
読者の心を揺さぶる一冊
濱野京子の筆致は、登場人物の心情を繊細に描き出し、読者の心を揺さぶる。優弥と稀星の交流を通じて、友情や恋愛だけでなく、社会の不平等や偏見についても深く考えさせられる。青春の輝きと社会の厳しさが交錯する本作は、幅広い世代に響く一冊となるだろう。
まとめ
『野原できみとピクニック』は、異なる環境で育った二人の高校生の恋を描きながら、現代社会の問題を浮き彫りにする作品だ。青春の甘酸っぱさと社会の現実が交錯するこの物語を、ぜひ手に取ってみてほしい。
せっかちのできみの野原ピクニック
ISBN:978-4-335-27330-9 著者:濱野京子 出版社:偕成社 発売年月:2021年4月 サイズ:249P、20cm 親子向け:児童⇨読み物(高学年向け) 登録日:2021/3/23