「死体は誰のものか」比較文化史の視点から考える死と所有の謎

「死体は誰のものか」比較文化史の視点で死の所有を読み解く

上田信氏による著作『死体は誰のものか 比較文化史の視点から本』(筑摩書房刊)は、死体をめぐる文化的な捉え方と所有権の問題に深く切り込む一冊です。

死体とは何か?所有されるものなのか?

普段、私たちは「死体」について深く考える機会はほとんどありません。しかし本書は、死体の扱いが社会や文化によって大きく異なることを浮き彫りにします。死体は単なる肉体の残骸ではなく、生命や家族、民族、さらには宗教的な意味を帯びた存在として扱われてきました。

比較文化史の視点で見る多様な死体の扱い

本書はアジア、ヨーロッパ、アメリカなど様々な地域の歴史を比較し、死体に関する慣習や法制度、倫理観の違いを明らかにします。例えば、死体の尊厳を守る文化や、死体の解剖が許容される文化の違い、さらには死体が政治的に利用されるケースまで多角的に分析しています。

なぜ「死体の所有」は重要なのか?

現代においても、臓器移植や遺体解剖、法医学などで死体の扱いは法的・倫理的問題と無関係ではありません。本書は、それらの背景にある歴史的・文化的な理解を深め、現代人が死をどう捉えるべきかのヒントを示しています。


『死体は誰のものか』は、233ページの読みやすい新書形式(ちくま新書1410)で、2019年5月に出版されました。死にまつわる根源的な疑問を文化史の視点で考えたい方におすすめの一冊です。


本情報

本ISBN:9784480072245 上田信/著 出版社:筑摩書房 出版年月:2019年05月 サイズ:233P18cm 新書・選書≫教養[ちくま新書] シタイワダレノモノカヒカクブンカシノシテンカラチクマシンシヨ1410 ちくま新書1410 登録日:2019/05/09 ※ページ内の情報は告知なく変更になることがあります。